九州不動産販売 blog

不動産屋が日々思いついたことを書き綴ります。

いくらまで値引き出来ますか?

不動産屋あるあるのお話。

 物件を案内していて、お客様から「いくらまでなら価格を下げられますか」と聞かれることがよくあります。気持ちはわかります。買う方は出来るだけ安く買いたいでしょうし…。ただこれってあまりにも漠然とした質問で答えに窮します。またほとんどの場合、いくらまで下げていいかという話は売主様と業者との間ではしません。その価格は、売主様と不動産業者が時間をかけて打ち合わせして、売主様が最終的に決定された価格です。「この価格で売ってください」という依頼でその物件を売り出しているということです。従って売り出しして間もない物件で、かつ人気物件の場合に値引きを言われますと、仲介業者の答えは「値引きは全く考えておりません」という誠に申し訳ないつれない答えになってしまいます。

 売主様から販売を一任された業者の役目として、まずはさておき定価で買って頂けるお客様を優先に商談を進めていくことになります。値引きを希望されるお客様はどうしても商談優先順位が下がってしまいます。値引き交渉を否定しているわけではありません。値引き交渉は大いに結構ですが、これから購入を考えている方は、人気物件の場合は、値引き交渉すると商談優先順位が下がってしまう事情があるということは知っておいてください。こういう時業者は「価格が下がったら連絡します」としか言えません。しかし人気物件は価格を下げずに買い手が決まってしまいますので、本当に気に入った物件で元々の価格が妥当と思うなら値引き交渉もほどほどにした方がいいと思います。

 それと冒頭で「いくらまでなら価格を下げられますか」と聞かれて答えに窮すると述べましたが、これはなかなか売れない物件でも同じです。理由は先程述べましたように、事前にそういう打ち合わせを売主様とはしていないからです。ましてや売主様にいくらまでなら下げてもらえますか、と業者から聞くことはまずありません。まあ話の中で何となくこの価格が最終ラインかなと思うことはありますけど。

 ここで値引き交渉する際のポイントですが、「〇〇〇万円にしてくれたら買います」とか「〇〇〇万円値引きしてくれたら買います」と具体的に価格を言って頂き、その条件なら決めるといって頂けたら売主様と交渉しやすいです。勿論あまりにもかけ離れた価格を言われたら交渉はしませんが。こうやって具体的に価格を言って頂ければ、不動産業者はこのお客様の購入動機、資金計画、ローンは使えるか等を会話の中で聞いていきます。買う力があるお客様なのかはポイントになります。資金計画が少々厳しいお客様だと売主様に値引き交渉は出来ません。こういう時、既に住宅ローンの事前審査を通しているお客様ですととても有り難いです。逆にローンが心配な場合は交渉する前に事前審査を通したりもします。それでこのお客様は買えるとわかった後、売主様には何とかこの価格で納得していただけるようにあの手この手でお願いします。

以上、「いくらまでなら価格を下げられますか」が不動産業者泣かせの質問というお話でした。